icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻12号

2006年11月発行

症例報告

原発切除約1年半後に鼠径リンパ節転移を認めた病期ⅠAの右踵部悪性黒色腫の1例

著者: 舩越建1 佐藤友隆1 田村舞1 諏訪部寿子1 五味博子1 川久保洋1 今井龍介2

所属機関: 1帝京大学医学部附属市原病院皮膚科 2いまい皮膚科クリニック

ページ範囲:P.1137 - P.1140

文献概要

 60歳,女性.右踵部の色素斑が約2年間で11×6mmとなり受診した.臨床的に悪性黒色腫と診断し,水平方向に1cm離し,骨膜を残して切除した.病理組織学的に腫瘍の厚さは1mm未満で,各種画像検査では所属リンパ節転移,遠隔転移は認めず,病期ⅠAと診断した.治療指針に従い,センチネルリンパ節生検・後療法は行わなかった.外来で経過観察していたが,約1年半後に右鼠径リンパ節への転移をきたした.右浅鼠径リンパ節郭清術を施行し,DAV-feron療法を6クール行い,現在まで再発,転移を認めていない.病期ⅠAであっても,センチネルリンパ節生検を行う必要があると考えた.

参考文献

1) 石原和之, 他:皮膚悪性腫瘍取扱い規約, 金原出版, p16, 2002
2) 山本明史, 他:最新皮膚科学大系11, 中山書店, p226, 2002
3) 津田昌明, 他:臨皮58: 1200, 2004
4) 影山登志郎:皮膚臨床46: 1598, 2004
5) 宇原 久, 他:皮病27: 183, 2005
6) 高井利浩, 他:皮膚の科学3: 350, 2004
7) Vuylsteke RJ, et al: J Clin Oncol21: 1057, 2003
8) 北島政樹, 他編:Sentinel Node Navigation-癌治療への新しい展開, 金原出版, p234, 2005
9) 八田尚人, 他:皮膚臨床40: 11, 1998
10) 辻野佳雄, 他:皮膚臨床47: 261, 2005
11) 熊野公子:日本臨牀61: 273, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら