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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻12号

2006年11月発行

文献概要

症例報告

左右対称性の分布を呈し,急速に増大したplexiform neurofibromaを伴った神経線維腫症1型の1例

著者: 北嶋渉1 芝崎加奈1 浅井純1 末廣晃宏1 岸本三郎1

所属機関: 1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚病態制御学

ページ範囲:P.1145 - P.1147

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 22歳,男性.6歳時,神経線維腫症1型と診断され,縦隔・皮膚腫瘤摘出術を受けた.初診の約1年前に左上腕と左側背部の皮下腫瘤に気づいた.それらの腫瘤が急速に増大してきたため,当科を受診した.左上腕に手拳大,左側背側に鶏卵大の弾性硬の皮下腫瘤がみられた.対称性に1年前より増大してきた直径3cm大の皮下腫瘤が右上腕,右側背部にもみられた.径15mm以上のカフェオレ斑は6個以上認めたが,cutaneous neurofibromaを思わせる結節性病変はみられなかった.左上腕部の腫瘤は橈骨神経の筋枝より派生しており,近傍には蔓状,連珠状の結節が多数みられた.病理組織像より神経線維腫症1型患者に生じたplexiform neurofibromaと診断した.

参考文献

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10) 棟千鶴美, 他:臨皮51: 358, 1997
11) 新村眞人:皮膚臨床15: 653, 1973

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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