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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻13号

2006年12月発行

文献概要

原著

皮膚肥満細胞症の3例―c-kit遺伝子変異の検出例と非検出例の比較

著者: 小田真喜子1 藤沢智美1 山中新也1 清島真理子1 柳堀浩克2 金子史男2

所属機関: 1大垣市民病院皮膚科 2福島県立医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1197 - P.1201

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症例1:19歳,男性.初診の2年前より体幹,上肢にそう痒を伴う色素斑が増加した.症例2:4か月,女児.生後まもなくより全身に褐色の色素斑が出現した.症例3:7歳,男児.生後3か月頃より全身に丘疹が出現した.3症例ともDarier徴候陽性で,組織学的には真皮上層から中層にかけて肥満細胞が密に浸潤していた.これらの細胞はトルイジンブルー染色で異染性を示し,肥満細胞症と診断した.c-kit遺伝子の検索を行ったところ,症例1ではコドン816の変異が検出された.症例2,3では変異を認めなかった.本邦で報告されたc-kit変異検出例と非検出例について比較した.c-kit変異検出例は成人に多いが,最近では小児でもc-kit変異の検出が増えている.十分な長期臨床経過の報告例が少なく,今後の検討が必要である.

参考文献

1) 朝比奈昭彦:最新皮膚科学大系3巻, 中山書店, p263, 2002
2) 出光俊郎, 井上多恵:最新皮膚科学大系13巻, 中山書店, p341, 2002
3) 小沢 桂, 他:日皮会誌115: 1023, 2005
4) Yanagihori H, et al: J Mol Diagn 7: 252, 2005
5) 窪田泰夫:臨皮53: 139, 1999
6) 板東伸泰, 他:小児臨床51: 2122, 1998
7) Longley BJ Jr, et al: Proc Natl Acad Sci USA 96: 1609, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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