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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻13号

2006年12月発行

文献概要

今月の症例

Verrucous malignant melanomaの2例

著者: 飛田泰斗史1 久保宜明1 井内里恵1 滝脇弘嗣1 荒瀬誠治1 秋田浩二2

所属機関: 1徳島大学医学部皮膚科学教室 2徳島大学医学部形成外科学教室

ページ範囲:P.1203 - P.1206

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症例1:42歳,女性.初診の約2年前に気づいた腰部の腫瘤が,徐々に増大した.腰部右側に20×12mmの境界明瞭な黒色広基性腫瘤を認めた.表面は過角化を認め疣贅状であった.症例2:87歳,女性.左膝蓋部に20×13mmの境界明瞭な黒色腫瘤を認めた.いずれの症例も周囲への滲み出しは認められず,臨床像は脂漏性角化症に類似していた.組織像では,過角化や表皮突起の延長を伴う表皮肥厚,疣贅状構築,pseudohorn cystなど脂漏性角化症と共通した所見が認められた.異型メラノサイトは表皮真皮境界部を中心に増殖していた.両症例はverrucous malignant melanomaに一致すると考えた.臨床的に脂漏性角化症と類似する悪性黒色腫の存在を認知することは重要である.

参考文献

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12) 永井秀之, 他:日皮会誌111: 815, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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