icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻13号

2006年12月発行

文献概要

症例報告

食物アレルギーを合併したアスピリン不耐症の1例

著者: 市橋かおり1 北嶋渉1 小西啓介1 寺澤直子2

所属機関: 1京都市立病院皮膚科 2公立南丹病院皮膚科

ページ範囲:P.1208 - P.1210

文献購入ページに移動
40歳,男性.約2年前より蕁麻疹,アナフィラキシー様症状を繰り返していた.食物アレルギー,食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA),アスピリン不耐症などを疑い,原因検索を行った.特異的IgEは,ダニ,エビ,カニで陽性であった.アスピリン内服誘発試験にてアスピリン不耐症と診断した.アスピリン不耐症の発症機序については,アラキドン酸代謝経路におけるシクロオキシゲナーゼ阻害作用に基づくとする考え方が主体であるが,吸入抗原や食物抗原に対するI型アレルギー反応をアスピリンが増強しているとする考え方もあり,自験例でも,ダニ,エビ,カニに対する反応をアスピリンが増強した可能性も考えられた.

参考文献

1) 三家 薫, 他:臨皮50(増): 21, 1996
2) 中村 敬, 他:アレルギー50: 1102, 2001
3) 玉置邦彦:最新皮膚科学大系第5巻, 中山書店, p187, 2002
4) 原田 晋, 他:皮膚39: 392, 1997
5) 原田 晋, 他:皮膚41: 312, 1999
6) Inomata N, et al: Ann Allergy Asthma Immunol 94: 402, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?