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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻13号

2006年12月発行

文献概要

症例報告

免疫抑制剤と血漿交換によって軽快した成人Still病の1例

著者: 根本育恵1 川嶋利瑞1 巌文哉1 阿部由紀子1 宮本千絵2 山本元久3 鈴木知佐子3 高橋裕樹3 中村準之助4

所属機関: 1札幌鉄道病院皮膚科 2札幌鉄道病院内科 3札幌医科大学内科学第1講座 4札幌駅前ヒフ科クリニック

ページ範囲:P.1215 - P.1218

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22歳,女性.生来健康であった.初診の1週間前から39℃台の発熱を伴って両肩に紅斑が出現し,全身に拡大した.皮疹はそう痒感を伴い自然消退傾向なく融合し,一部色素沈着,落屑を有していた.その後,咽頭痛,全身の関節痛が出現した.抗生剤に反応しない高熱,好中球優位(90%)の白血球増多,CRP上昇,フェリチン上昇,AST,ALT,LDH高値を認め,リウマチ因子・抗核抗体は陰性であった.また腹部CT,エコーにて脾腫を認めた.臨床的には定型的皮疹とは言いがたかったが,検査結果および臨床経過から成人Still病と診断した.ステロイド依存性の発熱,高度の炎症所見を認め,シクロスポリンを使用するも無効であったため,インフリキシマブ,メトトレキサートを併用した.その後,感染症を併発したため,二重膜濾過血漿交換療法を施行し軽快した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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