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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻13号

2006年12月発行

文献概要

症例報告

強皮症を合併したKlinefelter症候群に生じた難治性下腿潰瘍の1例

著者: 西井倫子1 柳下武士1 三笠聖美1 水谷建太郎1 渡辺大輔1 玉田康彦1 松本義也1 室慶直2

所属機関: 1愛知医科大学医学部皮膚科 2名古屋大学医学部皮膚結合組織病態学

ページ範囲:P.1222 - P.1224

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56歳,男性.3年前より左下腿外果部に潰瘍が出現し,植皮術を施行したが完治せず,再発を繰り返していた.入院精査にて精神遅滞,左右精巣の小指頭大と萎縮があり,染色体検査にて核型48,XXYY/47,XXYを検出し,Klinefelter症候群と考えた.また手指と下肢の硬化,抗セントロメア抗体,抗核抗体が認められ,全身性強皮症(SSc)を合併していた.以上よりSScを伴ったKlinefelter症候群に合併した下腿潰瘍と診断した.ワーファリン(R)の内服と潰瘍部のデブリドマン,ラップ療法により良好な肉芽形成がみられ,潰瘍の縮小がみられている.

参考文献

1) Klinefelter HF, et al: J Clin Endocrinol Metab 2: 615, 1942
2) 飯島茂子, 他:皮膚臨床29: 399, 1987
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5) Veraart JC, et al: Br J Dermatol 130: 641, 1994
6) 伊藤あおい, 他:皮膚臨床39: 177, 1997
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8) 小林茂人, 他:日内会誌78: 104, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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