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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻13号

2006年12月発行

文献概要

症例報告

CD10が陽性を示したatypical fibroxanthomaの1例

著者: 氏家英之1 加藤直子1 夏賀健1 冨田幸希1 皆川英彦2 舟山恵美2 國分一郎3

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター皮膚科 2独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター形成外科 3こくぶクリニック皮膚科形成外科

ページ範囲:P.1262 - P.1264

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79歳,男性.右耳前部に暗赤色でドーム状,表面にびらんを伴う腫瘍を認めた.病理組織学的に,表皮直下から真皮内に結節状の腫瘍塊があり,大小不同の核を有する紡錘形の線維芽細胞様細胞に加えて,異型な核を有する組織球様細胞や多核巨細胞により構成されていた.線維芽細胞様の細胞は,免疫組織学的にS-100蛋白と抗サイトケラチン抗体が陰性であったが,vimentinとCD10が陽性であった.atypical fibroxanthoma (AFX)と診断した.拡大切除後の4か月間に再発を認めていない.近年,CD10がAFXに対して感度の高い新たなマーカーとして報告されている.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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