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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻2号

2006年02月発行

文献概要

症例報告

好酸球性海綿状態を伴った表在播種型汗孔角化症

著者: 柳生理映子1 田中正人2 戸倉新樹3

所属機関: 1浜松医科大学皮膚科学教室 2島田市民病院 3産業医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.121 - P.123

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要約 89歳,男性.B型慢性肝炎に罹患している.四肢に瘙痒を伴う角化性隆起性皮疹が多発し,個疹は徐々に遠心性に拡大するとともに,体幹にも出現するようになった.両下肢,両前腕を中心に直径3~15mmの淡紅色から茶褐色の孤立性丘疹ないし円形皮疹が播種状に散在し,一部の皮疹は環状の堤防状隆起を呈した.病理組織学的に皮疹辺縁部表皮に錯角化円柱を認め,直下の真皮上層にリンパ球を中心とする細胞が浸潤し,表在播種型汗孔角化症と診断した.本症例に特徴的なこととして,錯角化円柱に近接して好酸球性海綿状態がみられ,好酸球の集塊する好酸球性微小膿瘍も観察された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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