臨床皮膚科60巻2号

2006年02月発行

症例報告

右下肢先天性皮膚欠損症の1例

著者： 寺内雅美¹ 中束和彦¹

所属機関： ¹沼津市立病院形成外科

ページ範囲：P.124 - P.126

要約　生後6日目，男児．出生時より右下腿前面に皮膚欠損がみられた．欠損部には水疱を認めず境界明瞭な暗赤色の薄い膜様組織に被覆されていた．先天性表皮欠損症と診断し，保存的に処置を行ったところ，25日目に上皮化した．以後経過観察を行っているが，瘢痕は目立たなくなり拘縮も出現していない．近年の創傷治療に関する進歩を考慮し，幼若期の皮膚障害は保存的療法が推奨される．

参考文献

1) 有川公三, 他：形成外科44: 495, 2001

2) Sybert VP: Pediatr Dermatol3: 1, 1985

3) Frieden IJ: J Am Acad Dermatol14: 646, 1986

4) 有賀昭俊, 大浦武彦：皮膚臨床12: 1056, 1970