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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻2号

2006年02月発行

文献概要

症例報告

塩酸ジルチアゼムによるacute generalized exanthematous pustulosisの1例

著者: 井岡奈津江1 野田智子1 上田英一郎1 加藤則人1 岸本三郎1

所属機関: 1京都府立医科大学皮膚病態制御学

ページ範囲:P.127 - P.130

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要約 69歳,女性.高血圧,狭心症にて内科通院中.乾癬の既往はない.背部より瘙痒・紅斑が出現し急速に全身に拡大,胸部には膿疱が散在し,38℃台の発熱,白血球数およびCRPの上昇を伴った.胸部の膿疱を皮膚生検し,好中球主体の角層下膿疱を認めた.感染症,薬疹を考え,内科医の承諾を得て内服薬を中止した.抗生物質,ステロイドの全身投与を開始したところ,症状は軽快した.内服薬のパッチテスト,スクラッチパッチテストにてへルベッサーR (R)で陽性,成分パッチテスト,スクラッチパッチテストにて塩酸ジルチアゼムで陽性であった.塩酸ジルチアゼムによるacute generalized exanthematous pustulosis (AGEP)と診断した.塩酸ジルチアゼムによるAGEPの報告例は,現在まで本例を含め2例である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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