icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻2号

2006年02月発行

文献概要

症例報告

非典型的な皮疹を伴い急性増悪した皮膚筋炎の1例

著者: 吉澤奈穂1 田中京子1 樹神元博1 藤本篤嗣1 山上淳1 杉浦丹1

所属機関: 1静岡市立清水病院皮膚科

ページ範囲:P.148 - P.151

文献購入ページに移動
要約 68歳,男性.1か月前より顔面に暗赤色斑が出現した.前額部,鼻背~鼻唇溝部に暗赤色斑を認め,頸部,上背部,上肢には紅色小丘疹が集簇した局面を形成していた.搔破痕に一致して紅色丘疹が並ぶKöbner現象もみられた.抗核抗体陽性,CPK,アルドラーゼ(ALD)の高値を認め,皮膚筋炎と診断した.皮疹の出現より半年後,長時間の歩行を契機に顔面の浮腫,筋力低下が出現し,同時にCPK9,062IU/l,ALD42.0IU/lと皮膚筋炎の急性増悪をきたした.症状増悪時には眼瞼部の紫紅色斑や上背部のscratch dermatitis,Gottron徴候など皮膚筋炎に特徴的な皮疹もみられたが,初診時の皮疹は丘疹が集簇しており,粘液水腫性苔癬も鑑別疾患として考えられた.

参考文献

1) 中谷明美, 他:臨皮47: 841, 1993
2) 石橋睦子, 他:臨皮55: 206, 2001
3) 椚田陽子, 他:日皮会誌111: 1609, 2001
4) 長谷川稔, 他:皮膚病診療18: 907, 1996
5) 奥田長三郎:臨皮47: 847, 1993
6) 肥田野信, 他:アレルギー34: 245, 1985
7) Callen JP: Dermatol Clin1: 461, 1983

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?