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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻2号

2006年02月発行

文献概要

症例報告

A-Cバイパス手術のための両側大伏在静脈抜去後に生じた血管肉腫の1例

著者: 大原夕佳1 中川秀己1 松尾光馬2 本田まりこ2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座 2東京慈恵会医科大学附属青戸病院皮膚科

ページ範囲:P.171 - P.174

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要約 74歳,女性.10年前に両側大伏在静脈を使用したA-Cバイパス手術後より,両下腿に浮腫がみられるようになった.2002年12月頃より左下腿に紫紅色丘疹が出現し,徐々に増加してきた.打撲などの既往はない.2003年1月に近医を受診し抗菌薬の投与を受けたが,腫脹および疼痛が増強してきたため,当科を紹介された.病理組織学的所見,免疫組織化学的所見より血管肉腫と診断した.本人および家族が侵襲の伴う治療を希望せず,緩和的X線照射を行った(左下腿中央部計55Gy,左踵部計30Gy,左膝計39Gy).しかし,照射を行っていない下腿後面を中心に腫瘍の新生がみられ,全照射終了後21日目の胸部CTにて右下肺野に転移が認められた.その後,ドセタキセルweekly療法を行ったが,癌性胸膜炎にて9月7日に永眠された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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