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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻2号

2006年02月発行

文献概要

症例報告

限局性皮膚ノカルジア症の1例

著者: 南谷洋策1 井上小保理1 小方冬樹1

所属機関: 1立正佼成会附属佼成病院皮膚科

ページ範囲:P.188 - P.191

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要約 70歳,女性.C型肝炎の既往がある.庭仕事で左肘部を虫に刺され,搔破していたところ,翌日より同部に膿瘍を形成したため当科を受診した.左肘部外側に,潰瘍を一部に伴う浸潤性紅斑局面を認めた.同側腋窩リンパ節腫脹はなかった.生検では,真皮~皮下に広範囲に好中球主体の密な炎症細胞浸潤を認めた.同部からの細菌培養で原因菌をNocardia brasiliensisと同定し,限局性皮膚ノカルジア症と診断した.セフジニル,イミペネムに抵抗性であり,ミノサイクリン点滴静注,局所にはスルファジアジン銀塗布とカイロによる局所温熱療法を施行し,約10日間で瘢痕治癒した.その後,2年間再発をみない.局所温熱療法は比較的容易に行え,副作用も少なく,抗菌薬の治療効果の増強を期待できると考えた.

参考文献

1) 土橋英治, 他:皮膚臨床35: 315, 1993
2) 北見由季, 他:臨皮58: 751, 2004
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4) 鹿江裕紀子, 他:皮膚臨床43: 1142, 2001
5) 窪田正昭, 他:皮膚臨床41: 1353, 1999
6) 仲  弥:総合臨床41: 585, 1992
7) 比留間政太郎, 他:皮膚臨床20: 413, 1978

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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