臨床皮膚科60巻2号

2006年02月発行

症例報告

ステロイド外用で修飾された異型白癬の1例

著者： 宇宿一成¹

所属機関： ¹宇宿ひふ科クリニック

ページ範囲：P.192 - P.194

要約　6歳，男児．ペットは飼育していない．右眉毛部に紅斑，丘疹を生じ，近医で吉草酸ベタメサゾン軟膏を処方された．その後，右上眼瞼にも紅斑を生じ，皮疹は瞼裂を越えて下眼瞼にも拡大した．KOH直接鏡検では白癬菌菌糸が確認された．鱗屑をSabouraudブドウ糖培地に接種したところ，集落中心部に不規則な皺襞をもち，表面絨毛状で黄白色，辺縁黄色調の集落が培養され，スライドカルチャーでMicrosporum canisと同定した．イトラコナゾール30mg/日の内服，テルビナフィンクリームの外用を2週間行い，軽快した．

参考文献

1) 出来尾　哲：西日皮膚65: 272, 2003

2) 西本勝太郎：皮膚病診療26: 804, 2004

3) 宇宿一成：臨皮57: 531, 2003

4) 中嶋　弘：図説皮膚疾患講座, 1版, 5巻(石橋康正, 他編), メジカルビュー, p30, 1993

5) 高橋麻里子, 他：眼科41: 653, 1999

6) 高橋健一郎, 他：眼科41: 1475, 1999

7) 奥田聡哉, 他：あたらしい眼科16: 959, 1999

8) 鈴木　崇, 他：眼科45: 1183, 2003