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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻2号

2006年02月発行

文献概要

治療

尋常性乾癬に対するビタミンD3外用薬と保湿剤の併用療法の有効性

著者: 橋爪秀夫1 伊藤泰介1 伊藤なつ穂1 石川学2 岩崎加代子3 小楠浩二4 影山葉月5 坂本泰子6 冨田浩一7 古川富紀子8 秦まき9 島内隆寿10 戸倉新樹10 三井広11 椙山秀昭11 島田眞路11 瀧川雅浩1

所属機関: 1浜松医科大学皮膚科 2焼津市立総合病院皮膚科 3JA静岡厚生連静岡厚生病院皮膚科 4榛原総合病院皮膚科 5磐田市立総合病院皮膚科 6藤枝市立総合病院皮膚科 7静岡市立静岡病院皮膚科 8静岡県立総合病院皮膚科 9沼津市立病院皮膚科 10産業医科大学皮膚科学教室 11山梨大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.199 - P.204

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要約 浜松医科大学および関連施設,産業医科大学,山梨大学にて尋常性乾癬患者29例を対象として,マキサカルシトール25μg/g軟膏(オキサロール (R)軟膏)1日1回(夕)の単独療法と,マキサカルシトール25μg/g軟膏1日1回(夕)および保湿剤(ヘパリン類似物質含有外用薬)1日1回(朝)との併用療法を,8週間の左右比較で検討した.①皮膚所見別の推移では,紅斑,浸潤・肥厚,鱗屑において単独群,併用群ともすべての観察日で開始時と比べて有意な改善が認められた.②単独群と併用群の皮膚所見別の群間比較では,鱗屑においてすべての観察日で併用群が有意に優った.③全般改善度の群間比較では,8週後および最終時で併用群が有意に優った.④全般改善度の左右優劣比較では,8週後および最終時で併用群が有意に優った.⑤有用度の評価では,有用以上が単独群で41.4%(12/29例),併用群では62.1%(18/29例)であり,併用群が有意に優った.⑥有用度の左右優劣比較では,併用群が有意に優った.これらの点より,マキサカルシトール25μg/g軟膏と保湿剤の併用療法は,有効な治療法であると考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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