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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻3号

2006年03月発行

文献概要

今月の症例

横紋筋融解症を伴ったマムシ咬傷

著者: 小田真喜子1 山中新也1 清島真理子1 山口均2

所属機関: 1大垣市民病院皮膚科 2大垣市民病院救命救急センター

ページ範囲:P.219 - P.222

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75歳,男性.右足外顆のマムシ咬傷後,15時間で受診した.患側下肢は暗紫色で冷感を伴い,来院後も腫脹が急速に進行し,霧視,悪心,腹痛,乏尿などの全身症状を伴った.尿は赤褐色調で,筋原酵素が著明に上昇していた.受傷3日目にCPK21,813IU/l,血中ミオグロビン6,023.4ng/ml,尿中ミオグロビン15,000ng/mlと最高値を示した.大量輸液を開始し,マムシ抗毒素血清,ステロイド,セファランチン,破傷風トキソイド,抗生剤,ハプトグロブリンを投与したところ急性腎不全は免れ,患肢の腫脹は徐々に軽快し,受傷2週間後には歩行可能になった.マムシ咬傷で皮膚科を受診する例は多くはないが,受傷初期の治療が重要であり,マムシ抗毒素血清の使用,血液浄化法,減張切開の適応などの治療法について検討した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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