icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻3号

2006年03月発行

文献概要

症例報告

色素性コンジローマの1例

著者: 吉澤奈穂1 田中京子1 樹神元博1 藤本篤嗣1 杉浦丹1

所属機関: 1静岡市立清水病院皮膚科

ページ範囲:P.241 - P.243

文献購入ページに移動
49歳,男性.5年ほど前より陰茎基部に皮疹が出現した.陰茎基部に黒褐色調の扁平丘疹が5つ集簇してみられBowen様丘疹症が疑われた.病理組織像は表皮の肥厚,表皮内の空胞化細胞,表皮突起の中心収束傾向を示した.細胞の配列の乱れ,核異型性は明らかではなく,クランピング細胞もみられなかった.病理組織像ではBowen様丘疹症を疑わせる悪性所見はなく,組織のパピローマウイルス遺伝子検査においてはHPV-6が検出され,色素性コンジローマと診断した.現在,尖圭コンジローマとBowen様丘疹症は連続性,近縁性が示唆されているが,本稿では,尖圭コンジローマの一亜型である色素性コンジローマについて文献的考察を加え報告する.

参考文献

1) 木村俊次:臨皮34: 215, 1980
2) 新関寛徳, 他:臨皮47: 1175, 1993
3) 本多章乃, 他:第98回日本皮膚科学会総会抄録, p490, 1999
4) Majewski S, et al: J Am Acad Dermatol36: 659, 1997
5) 今福信一, 他:日皮会誌108: 857, 1998
6) zur Hausen H: Biochim Biophys Acta1288: 55, 1996
7) Wieland U, et al: Epidemiology, pathogenesis and oncogenic role, p1, Ullstein Mosby, Berlin, 1997
8) 川口早苗, 他:皮膚臨床29: 207, 1987
9) Lebbe C, et al: Br J Dermatol131: 740, 1994
10) Soler C, et al: J Invest Dermatol101: 286, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?