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症例報告
Spiny keratodermaの1例
著者: 太田智秋1
所属機関: 1新宮市立医療センター皮膚科
ページ範囲:P.252 - P.254
文献購入ページに移動47歳,男性,建設業.3年来の手掌のざらざら感を主訴に来院した.両手掌にほぼ対称性に,1mm程度のきわめて小さい棘状の角化突起が散在し,足蹠にも同様の所見がみられた.組織学的には,中心部に不全角化を示すcornoid lamella様の角層の過角化所見があり,その下方では顆粒層が消失し,表皮は軽度に陥凹して菲薄化し,その中心部にはエクリン汗管の表皮内汗管が開口していた.表皮の空胞化や異角化は認めなかった.以上よりspiny keratodermaと診断した.10%尿素軟膏を処方したが改善せず,本人の希望により放置観察とした.痛風,高脂血症にて内服していたアロプリノール,ベザフィブラートを中止して半年後も,症状は不変であった.
参考文献
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