icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻3号

2006年03月発行

文献概要

症例報告

トラニラストが有効であった顔面播種状粟粒性狼瘡の1例

著者: 佐藤可代1 棟方貴子1 秋田尚見1 柳谷文彦2

所属機関: 1青森市民病院皮膚科 2柳谷皮膚科

ページ範囲:P.259 - P.261

文献購入ページに移動
72歳,女性.トラニラストが有効であった顔面播種状粟粒性狼瘡(LMDF)の1例を経験した.初診5か月前より,顔面に難治性の紅色丘疹が出現した.組織学的に乾酪壊死を伴う類上皮細胞性肉芽腫を認めた.テトラサイクリン,ジアフェニルスルホン(DDS)の内服を行うも副作用のため使用中止となった.トラニラストを内服したところ,投与2週目より丘疹は縮小傾向を示し,投与2か月後には著明に改善した.近年LMDFの治療には,テトラサイクリンやDDSがよく用いられているが,無効な場合や副作用の出現により使用できない場合も少なくない.トラニラストはこれらの薬剤に比べ重篤な副作用が少なく,LMDFの治療において試みる価値のある薬剤であると考えられた.

参考文献

1) 玉置邦彦, 他(編):最新皮膚科学大系第9巻, p147, 中山書店, 2002
2) 山村雄一, 他(編):現代皮膚科学大系第6A巻, p208, 中山書店, 1980
3) 三浦祐晶:皮膚臨床2: 421, 1960
4) 池田重雄, 他(編):標準皮膚科学第6版, p273, 医学書院, 2001
5) Shitara A: J Dermatol9: 383, 1982
6) 速水 誠:皮膚臨床38: 1143, 1996
7) Seukeran DC, et al: Br J Dermatol141: 596, 1999
8) 小泉伸枝, 他:西日皮膚65: 70, 2003
9) 高橋祐子, 他:皮膚臨床37: 1829, 1995
10) 新井春枝:皮膚病診療22: 775, 2000
11) 筒井清広, 他:臨皮58: 240, 2004
12) Iwao F, et al: Br J Dermatol149: 222, 2003
13) Mizuno K, et al: J Dermatol Sci24: 166, 2000
14) 柳 忠道, 他:炎症7: 169, 1987
15) 須澤東夫, 他:応用薬理43: 409, 1992
16) 市川 潔, 他:応用薬理43: 401, 1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?