icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻4号

2006年04月発行

文献概要

症例報告

周期性血小板減少症に生じた皮下血腫の1例

著者: 荻田あづさ1 加藤篤衛1 野呂佐知子1 片山美玲1 川名誠司1

所属機関: 1日本医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.382 - P.385

文献購入ページに移動
要約 63歳,男性.48歳時に巨核球減少性周期性血小板減少症と診断され,約4週間周期で血小板数が減少していた.初診の3日前に左大腿部を強打し,徐々に同部位が腫脹した.初診時,血小板3.7×104/μl,左大腿内側に13×12cm大の紫紅色の皮下腫瘤を認めた.臨床および画像所見から皮下血腫と診断した.血小板数の変動を予測し,血小板数の上昇時期に血腫除去術を施行した.周期性血小板減少症に伴う皮下血腫に対し,全身麻酔下にて血腫除去術を施行した本邦報告例はこれまでにはないが,血小板数の変動に注意しながら,血腫除去術を施行すれば予後良好であると思われる.

参考文献

1) 白神 皞, 他:日血会誌38: 134, 1971
2) Kojima K, et al: Am Hematol82: 61, 2003
3) 松長昌子, 他:医学検査51: 366, 2002
4) 林 朋博,他:Int J Hematol Suppl73: 242, 2001
5) 島本健至, 他:臨血42: 123, 2001
6) 吉田信之, 他:臨血41: 1097, 2000
7) 新納美幸, 他:日内会関東地方会抄録集479: 18, 2000
8) Furuyama H, et al: Pediatr Int41: 584, 1999
9) 高橋啓子, 他:腎と透析47: 181, 1999
10) 井上利彦, 他:内科77: 986, 1996
11) 松本 悟, 他:日常診療と血液6: 312, 1996
12) Nagasawa T, et al: Br J Haematol91: 185, 1995
13) Kubota M, et al: Acta Paediatr Jpn36: 690, 1994
14) 苅谷克俊, 他:総合臨床43: 2523, 1994
15) Yanabu M, et al: Acta Haematol89: 155, 1993
16) 鹿嶋広久, 他:独協医誌7: 277, 1992
17) 井上昌光, 他:臨血31: 1287, 1990
18) 安藤伯秋, 他:臨血29: 769, 1988
19) 伊藤敏治, 他:臨血31: 1287, 1990
20) 古賀広幸, 他:日小血誌1: 171, 1987
21) 関根隆夫, 他:臨血30: 1021, 1989
22) Kosugi S, et al: Br J Haematol88: 809, 1994
23) 柴原直利, 他:臨血35: 751, 1994
24) Hoffman R, et al: N Engl J Med321: 97, 1989
25) Dan K, et al: Br J Haematol77: 365, 1991
26) Menitove JE, et al: Blood73: 1561, 1989
27) Tomer A, et al: Br J Haematol71: 519, 1989

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?