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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻4号

2006年04月発行

症例報告

円形脱毛症を伴った石灰化上皮腫の1例

著者: 三井湖麻江1 野中浩充1 末木博彦1 飯島正文1

所属機関: 1昭和大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.392 - P.394

文献概要

要約 78歳,女性.約半年前に頭頂部に小結節が出現し,直後より周囲に脱毛斑を生じた.初診時,頭頂部やや左に径3cmの円形脱毛斑を認め,中央に径5mm,境界明瞭な骨様硬の皮下結節を触知した.自覚症状はなかった.石灰化上皮腫,alopecia neoplasticaなどを疑い結節を切除した.組織学的には,皮下に線維性被膜を有し,主に陰影細胞からなる腫瘍塊がみられ,周囲に一部リンパ球の浸潤が認められた.腫瘍近傍の休止期毛周囲には巣状のリンパ球浸潤があり,円形脱毛症を伴った石灰化上皮腫と診断した.脱毛の原因として,腫瘍免疫の関与も考えられた.切除9か月後より軟毛の再生がみられているが,1年後の現在も脱毛斑が残存している.

参考文献

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12) 原田 研, 他:皮膚臨床44: 131, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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