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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻5号

2006年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス 2006 Clinical Dermatology 2006 3. 新しい検査法と診断法

BP230 ELISA法の開発について

著者: 吉田まり子1 濱田尚宏1 安元慎一郎1 橋本隆1 天谷雅行2 橋本公二3

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科学教室 2慶応義塾大学医学部皮膚科学教室 3愛媛大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.79 - P.82

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要約 水疱性類天疱瘡はヘミデスモゾームに存在する230kDa水疱性類天疱瘡抗原(BP230)と180kDa水疱性類天疱瘡抗原(BP180)に対する自己抗体を示す自己免疫性水疱症であり,高齢者に好発する.正常ヒト表皮抽出液を用いた免疫ブロット法で多くの水疱性類天疱瘡患者血清はBP230と反応し,BP180と同様に水疱性類天疱瘡病変の診断に重要である.現在まで,各種リコンビナント蛋白を用いた研究の結果から,水疱性類天疱瘡患者血清はBP230蛋白上の多くのエピトープに反応することが判明した.今回,筆者らはBP230のN末端部とC末端部の全長をカバーする2種の大腸菌発現リコンビンナント蛋白を用いたenzyme-linked immunosorbent assay (ELISA法)を開発し,水疱性類天疱瘡患者血清中のBP230に対する自己抗体を特異的かつ高感度に検出できることを示した.今後,従来から施行されている蛍光抗体法,免疫ブロット法に加え,BP230とBP180のELISA法を組み合わせることにより,より確実に,より簡便に水疱性類天疱瘡を診断できると考えた.

参考文献

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9) Thoma-Uszynski, et al: J Invest Dermatol122: 1413, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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