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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻5号

2006年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス 2006 Clinical Dermatology 2006 5. 皮膚科医のための臨床トピックス

慢性皮膚潰瘍のmaggot治療(MDT)

著者: 大浦紀彦1 三井秀也2 市岡滋3

所属機関: 1杏林大学医学部救急医学・形成外科学教室 2岡山大学大学院医歯薬学総合研究科心臓血管外科学講座 3埼玉医科大学形成外科学教室

ページ範囲:P.152 - P.155

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要約 創傷治療において,壊死組織や生理活性の低い組織を除去し,創底を清浄化させることが不可欠である.近年,欧米で注目を集めているのが,非侵襲的で無痛かつ選択的に壊死組織を除去するハエの幼虫(maggot)を使ったmaggot debridement therapy(以下MDTと略す)である.これは感染制御と創傷治癒促進効果を同時に併せもつ.創底が血流があり,感染・壊死組織を伴った潰瘍が適応となる.6~10匹/cm2になるようにガーゼを使用して創面へmaggotを付着させる.創周囲をドレッシング材を使用して準密閉し,交換は2回/週で行う.従来の治療法と比較してもMDTは安価であり,耐性菌をつくることもなく,副作用もないので,今後,臨床現場で広く認知されていくと思われる.

参考文献

1) Sherman RA: Wound Rep Reg8: 208, 2002
2) Mumcuoglu KY: Am J Clin Dermatol2: 219, 2001
3) Mumcuoglu KY, et al: J Med Entomol38: 161, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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