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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻5号

2006年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス 2006 Clinical Dermatology 2006 5. 皮膚科医のための臨床トピックス

悪性黒色腫の新しい血清マーカー―glypican-3とSPARC

著者: 影下登志郎1 福島聡1 尹浩信1 西村泰治2 中面哲也3

所属機関: 1熊本大学大学院医学薬学研究部皮膚機能病態学 2熊本大学大学院医学薬学研究部免疫識別学 3国立がんセンター東病院がん治療開発部

ページ範囲:P.169 - P.172

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要約 悪性黒色腫(メラノーマ)の新しい血清マーカーとしてglypican-3(GPC3)とSPARCを同定した.GPC3はヘパラン硫酸プロテオグリカンファミリーに属する糖鎖修飾が強いGPIアンカー蛋白であるが,肝細胞癌とメラノーマに特異的に発現している.血清GPC3はメラノーマの約40%で検出されるが,健常人では検出されない.一方,SPARCはシステインに富む酸性分泌蛋白で,メラノーマに高頻度に発現している.血清SPARCはメラノーマの約30%で検出されるが,健常人ではほとんど検出されない.両者は早期メラノーマにおいても検出され,いずれかが陽性を示す症例は0期88%,Ⅰ期48%,Ⅱ期71%である.両者を併用することで早期メラノーマが血清学的に診断可能になる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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