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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻5号

2006年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス 2006 Clinical Dermatology 2006 5. 皮膚科医のための臨床トピックス

手足口病に伴う急性脳炎・脳症

著者: 市山高志1

所属機関: 1山口大学医学部生殖・発達・感染医科学/小児科教室

ページ範囲:P.176 - P.178

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要約 手足口病は日常診療でしばしば遭遇するウイルス性発疹症である.エンテロウイルス属が原因であり,コクサッキーウイルスA16,エンテロウイルス71によるものが多い.コクサッキーウイルスA16に比し,エンテロウイルス71は多彩な神経系合併症をきたしやすい.脳幹脳炎を含む急性脳炎,髄膜炎,急性小脳失調症,脊髄炎,ミオクローヌスなどが報告されている.これら神経系合併症は後遺症を含め予後不良の転帰をとることがあり,早期診断・早期治療が重要である.手足口病に続発する神経系合併症は2~5病日に発症することが多い.意識障害,不随意運動,歩行障害など,多彩な神経症状で発症する.早期診断のポイントとして,①見当識障害,何となくボーっとして元気がないなどの軽微な意識障害を見逃さないこと,②頭痛,嘔吐は頭蓋内圧亢進症状の可能性があるので注意することである.

参考文献

1) Feigin RD, et al: Texbook of Pediatric Infectious Diseases, 5th ed. Saunders, Philadelphia, pp1984-2041, 2004
2) Ho M, et al: N Engl J Med341: 929, 1999
3) Huang CC, et al: N Engl J Med341: 936, 1999
4) McMinn PC: FEMS Microbiol Rev26: 91, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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