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特集 最近のトピックス 2006 Clinical Dermatology 2006 5. 皮膚科医のための臨床トピックス
学齢期アトピー性皮膚炎と不登校・ひきこもり
著者: 片岡葉子1
所属機関: 1大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター皮膚科
ページ範囲:P.179 - P.181
文献購入ページに移動要約 学齢期アトピー性皮膚炎(AD)に合併することのある不登校の意味,対処のポイントについて述べた.ADは強い瘙痒のために生活リズムを崩しやすく,またその外観を気にして欠席の原因になりやすい.しかし,不登校は単にADの結果というだけでなく,両者の心理社会的背景が共通で,ADがあることによって悪循環を形成していることが少なくない.その場合にはADに対する皮膚科的治療と並行して,背景の心理社会的問題に取り組むことが,AD,不登校両者の問題解決に有効である.ADに合併する不登校の問題を解決するためのポイントとして,受容・共感的態度をもった初診面接の重要性,不登校合併の認識に始まる的確な情報の収集,適切な皮膚科治療による苦痛の早期緩和,全人的な問題の把握・対応,教育施設を併設する入院療法の意義,他職種との連携の6点を提示した.
参考文献
1) 不登校問題に関する調査研究協力者会議, 今後の不登校への対応の在り方について(報告), 文部科学省ホームページ, 2003
2) 片岡葉子:日医会誌126: 52, 2001
3) 厚生労働科学研究事業「地域精神保健活動における介入のあり方に関する研究」,10代・20代を中心とした「ひきこもり」をめぐる地域精神保健活動のガイドライン, 厚生労働省ホームページ, 2003
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