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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻6号

2006年05月発行

文献概要

症例報告

食道病変を伴った尋常性天疱瘡の1例

著者: 岩﨑智子1 松島陽一郎1 清水晶1 渋沢弥生1 永井弥生1 田村敦志1 石川治1 草野元康2

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科皮膚病態学 2群馬大学大学院医学系研究科病態制御内科学

ページ範囲:P.450 - P.452

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 43歳,女性.初診2か月前より口腔内にびらん,疼痛が出現し次第に増悪した.初診時,頬粘膜,舌,硬口蓋,下口唇粘膜面に膿苔を付すびらんが多発していた.皮膚病変はみられなかった.抗デスモグレイン(Dsg)1抗体36.7Index,抗Dsg3抗体882.0Indexと高値であった.プレドニゾロン(PSL)60mg内服にて粘膜疹は軽快したが,PSLを10mgまで減量したところ嚥下時疼痛が出現した.上部消化管内視鏡検査では食道下部に全周性の粘膜剥離がみられ,生検所見から尋常性天疱瘡の食道病変と診断した.PSL40mgに増量したところ速やかに症状は軽快した.尋常性天疱瘡における食道病変は時にみられるが,他部位の病変とは平行せずに生じることがあり注意を要する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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