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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻6号

2006年05月発行

症例報告

手掌に生じた単発型グロムス腫瘍の1例

著者: 八木絵里子1 鈴木洋介1

所属機関: 1日野市立病院皮膚科

ページ範囲:P.463 - P.465

文献概要

 78歳,女性.約1年前より右手掌に疼痛を伴う皮疹を自覚し,以後疼痛が増強したため当科を受診した.初診時,右小指球部に径6mmの,紫紅色調を呈しドーム状に隆起する硬い結節を認めた.病理組織学的に真皮浅層から中層に腫瘍塊があり,腫瘍内は1層の内皮細胞を有する管腔と,その周囲に好酸性の細胞質をもつ細胞が増殖し,間質ではムチン様物質が沈着していた.腫瘍細胞はα-SMA染色陽性,AE1/AE3染色陰性で,グロムス腫瘍と診断した.アルシアンブルー+PAS染色ではムチン様物質は淡青色に染色され酸性ムコ多糖の沈着と考えた.さらに一部の腫瘍細胞はCD34陽性であった.CD34陽性のグロムス腫瘍の報告は稀で,粘液沈着との組織学的関連性を検討した.

参考文献

1) 川浦菊美, 他:臨皮54: 920, 2000
2) Tsuneyoshi M, Enjoji M: Cancer50: 1601, 1982
3) 村澤章子, 木村鉄宣:臨皮57: 337, 2003
4) Mentzel T, et al: J Cutan Pathol29: 421, 2002
5) 大内健嗣, 他:日皮会誌115: 1001, 2005
6) Hattori M, et al: Tohoku J Exp Med182: 241, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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