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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻6号

2006年05月発行

文献概要

症例報告

Primary cutaneous diffuse large B-cell lymphoma, leg typeの1例

著者: 横内麻里子1 齋藤昌孝1 清水智子2 石河晃1 谷川瑛子1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 2さいたま市立病院皮膚科

ページ範囲:P.500 - P.503

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 60歳,女性.初診の約1年前より左下腿に腫瘤が出現し徐々に増大,その後右下腿にも同様の腫瘤が出現した.初診時,両下腿にドーム状に隆起する境界明瞭な紅色の腫瘤を認めた.組織学的に,表皮直下にgrenz zoneを認め,真皮全層にわたりCD10,CD20,bcl-2陽性の大型異型細胞が稠密に浸潤していた.全身検索にて,皮膚以外に病変を認めなかったことより,自験例をprimary cutaneous diffuse large B-cell lymphoma, leg typeと診断した.CHOP療法を開始したところ腫瘤は速やかに消退し,6クール終了後10か月が経過した時点において,再発および転移を認めていない.本症は原発性皮膚B細胞リンパ腫のなかでも比較的予後が不良とされている.特に自験例のように病変が両側に存在することや,腫瘍細胞がbcl-2陽性であることは予後不良因子とされている.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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