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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻6号

2006年05月発行

症例報告

旋尾線虫によるcreeping diseaseの1例

著者: 石橋正史1 杉俊之1

所属機関: 1さいたま市立病院皮膚科

ページ範囲:P.512 - P.514

文献概要

 52歳,男性.埼玉県在住.5月初旬にホタルイカを生食し,翌日より,下腹部に一部小水疱を伴う,わずかに隆起し,曲折する紅色線状の皮疹が出現した.腹部症状なし.皮疹の先端部付近から生検し,皮膚組織に虫体断面を認め,形態学的に旋尾線虫typeⅩ幼虫の特徴を示した.免疫血清学的に旋尾線虫幼虫抗体陽性であった.生検後,皮疹は速やかに消失し再発を認めない.ホタルイカの生食による寄生虫症は,一時期,ホタルイカの生食が控えられたために患者の発生は減少したが,近年また患者数は増加する傾向にある.

参考文献

1) 杉山 広,他:Clin Parasitol13: 98, 2002
2) 赤尾信明:病原微生物検出情報21: 118, 2000
3) 大滝倫子, 他:日皮会誌44: 88, 1995
4) 岡崎愛子, 他:臨皮47: 1105, 1993
5) 岡沢孝雄, 他:北陸公衛誌20: 71, 1993
6) Taniguchi Y, et al: Int J Dermatol33: 279, 1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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