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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻6号

2006年05月発行

文献概要

治療

男性型脱毛症(AGA)に対するフィナステリドの長期投与(3年間)試験成績―多施設共同オープン試験

著者: 川島眞1 溝口将之2 五十嵐敦之3 戸田淨4 北原比呂人5 村田恭子6 乃木田俊辰7 前口瑞恵7 林伸和8 水野惇子8 山田美奈9 原田昭太郎3

所属機関: 1東京女子医科大学病院皮膚科 2順天堂大学医学部附属順天堂医院皮膚科 3NTT東日本関東病院皮膚科 4戸田皮膚科クリニック 5北原皮膚科 6エヌ・エスクリニック 7新宿南口皮膚科 8スキンクリニック代官山 9四谷三丁目皮膚科

ページ範囲:P.521 - P.530

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 日本人成人男性の男性型脱毛症(AGA)患者414例に対し5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬であるフィナステリドを投与した,プラセボ対照の多施設共同二重盲検比較試験(1年間)成績をすでに報告している1).今回,その試験を終了し,治験責任医師などが適格と判断し,同意の得られた患者374例を対象に,全症例に継続して2年間フィナステリド1mgを投与した長期投与試験(計3年間)を実施した.その結果,長期投与試験においても副作用発現率の増加傾向は認められず,フィナステリドの安全性が確認された.また,有効性の面でも,フィナステリド1mgを3年間継続投与することにより,写真評価において98%に抜け毛進行抑制効果あるいは脱毛改善効果が認められた.以上より,フィナステリドは,日本人成人男性のAGA患者に対して,有効かつ長期にわたり安全に投与できる薬剤であると結論した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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