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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻7号

2006年06月発行

文献概要

症例報告

エトレチナート内服が有効であった皮膚硬化型慢性GVHDの小児例

著者: 田中英一郎1 竹之内辰也2 浅見恵子3

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野 2新潟県立がんセンター皮膚科 3新潟県立がんセンター小児科

ページ範囲:P.554 - P.557

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 6歳,男児.1歳時に慢性骨髄性白血病を発病した.2回の同種骨髄移植後に掌蹠の角質増生と手指の屈曲拘縮,間擦部の皮膚硬化を生じ,皮膚硬化型慢性GVHDを発症した.ステロイドおよび免疫抑制剤による治療に抵抗性で進行したため,エトレチナート1日10mgの内服を開始した.数か月後には皮膚硬化の改善と関節可動域の拡大を認め,漸減にても症状の再燃はみられなかった.エトレチナートに起因すると思われる有害事象はみられず,本薬剤は小児であっても皮膚硬化型慢性GVHDの治療の有効な選択肢になりうると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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