icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻7号

2006年06月発行

症例報告

潰瘍性大腸炎に伴った結節性紅斑―深部静脈血栓症を併発した1例

著者: 近藤亨子1 金沢博龍1 有川順子1 檜垣祐子1 川島眞1 望月直子2 八巻隆3

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学消化器内科学教室 3東京女子医科大学形成外科学教室

ページ範囲:P.568 - P.571

文献概要

 28歳,男性.初診の約3週間前より,左下腿に熱感を伴う手掌大の硬結を触れる紅斑が出現した.病理組織学的所見は葉間隔壁と小葉内の出血像と血管周囲のリンパ球,組織球の浸潤を認め,巨細胞も散見された.下痢,血便があり,精査の結果,全結腸型潰瘍性大腸炎の診断のもとに,サラゾスルファピリジン4500mg/日,プレドニゾロン50mg/日を開始した.潰瘍性大腸炎は軽快したが紅斑は遷延し,一部紫斑となり潰瘍化した.カラードップラーエコーで左腓骨静脈,左後脛骨静脈,左ひらめ筋静脈に深部静脈血栓症を併発しており,潰瘍形成の原因と考えられた.

参考文献

1) 大草康弘, 他:臨皮39: 297, 1985
2) 木花いづみ, 他:皮膚臨床33: 350, 1991
3) 山本俊幸:臨皮47: 569, 1993
4) 山本俊幸, 他:皮膚臨床38: 1786, 1996
5) 原田和俊, 他:臨皮52: 617, 1998
6) Denstman F, et al: Dis Colon Rectum 43: 1037, 2000
7) 森 和夫, 他:臨床血液23: 1540, 1983
8) 佐々木巖:難治性炎症腸管障害に関する調査研究班平成13年度研究報告書, p59, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら