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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻7号

2006年06月発行

症例報告

腎移植患者に生じたMycobacterium chelonae皮膚感染症の1例

著者: 赤坂玲1 福屋泰子1 檜垣祐子1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.579 - P.581

文献概要

 63歳,男性.61歳時に腎移植術を受け,免疫抑制剤を内服中であった.2003年12月,左外果下方に角化局面が出現し,2004年1月,同部位に圧痛を伴うようになった.1週間後には,拇指頭大の発赤と熱感を伴い,中央は暗紫色調を呈してきた.蜂窩織炎の診断のもと抗生剤の内服投与を行ったが軽快しなかった.皮膚病理組織像では真皮から皮下脂肪織に好中球,核破片を主体とする膿瘍の形成を認め,その近傍にZiehl-Neelsen染色で赤染する桿菌を認めた.抗酸菌培養集菌法にてガフキー2号を検出し,分離株はDNA-DNA hybridization法にてMycobacterium chelonaeと同定した.M. chelonae皮膚感染症と診断し,塩酸ミノサイクリンの内服を行い軽快した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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