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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻7号

2006年06月発行

文献概要

症例報告

Schloffer腫瘤の1例

著者: 吉田理恵1 田中京子1 木花光1 新浩一2 佐藤勉3 軽部美佐子4 中村宣子5

所属機関: 1済生会横浜市南部病院皮膚科 2済生会横浜市南部病院内科 3済生会横浜市南部病院外科 4済生会横浜市南部病院放射線科 5済生会横浜市南部病院病理

ページ範囲:P.601 - P.603

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 33歳,女性.10年以上前に虫垂炎の手術の既往がある.1か月前より同手術の瘢痕部の皮下に圧痛を伴う腫瘤が出現した.35×40mm,境界不明瞭な硬い皮下腫瘤で,CT所見よりSchloffer腫瘤が疑われ摘出した.組織学的に皮下に急性および慢性炎症像と線維化を認め,Schloffer腫瘤と診断した.Schloffer腫瘤は腹壁の瘢痕付近に発生する慢性炎症性腫瘤で,手術後数年以上経過して起こることもある.発症誘因として,自験例では腫瘤出現と糖尿病の悪化がほぼ同時期に認められたことから,糖尿病による免疫力の低下が関与していると考えた.

参考文献

1) 相沢豊三, 他:医学大辞典, 南山堂, p690, 1974
2) 利根川守:日形会誌21: 607, 2001
3) 佐々木吉明, 他:小児科臨床56: 2097, 2003
4) 四方 哲, 他:日臨外会誌60: 375, 1999
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7) 岡 寿士, 他:日臨外会誌44: 84, 1983
8) 佐藤篤彦, 岡野昌彦:日本臨牀45: 477, 1987

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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