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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻7号

2006年06月発行

症例報告

巨大尖圭コンジローマの1例

著者: 黒川晃夫1 大津詩子1 森脇真一1 清金公裕1

所属機関: 1大阪医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.621 - P.623

文献概要

 84歳,男性.初診時,陰茎基部に径5×3.5cm,高さ1.5cm,褐色から紅色のカリフラワー状腫瘤が認められ,亀頭部尖端,包皮,陰茎中央,陰囊,鼠径部,肛門周囲には多数の疣贅状結節が散在していた.陰茎基部,亀頭部,包皮,陰茎の皮疹を生検し,病理組織検索の結果,すべて尖圭コンジローマと診断した.PCR法で病変からヒト乳頭腫ウイルス(HPV)11型を検出した.巨大腫瘤に対しては切除術を行い,難治性の小病変に対しては活性化ビタミンD3外用療法を試みた.本症例では尿道カテーテル挿入の際,あるいはオムツ交換時にHPV感染をきたし,オムツの着用による陰部の不潔や湿潤が尖圭コンジローマを急速に巨大化させた可能性が高いと考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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