icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻7号

2006年06月発行

治療

小児のアトピー性皮膚炎の外用維持療法―ヘパリン類似物質製剤の有用性

著者: 根本治1 森川玲子2 安田秀美3 川島眞4

所属機関: 1札幌皮膚科クリニック 2恵み野皮膚科クリニック 3福住皮膚科クリニック 4東京女子医科大学皮膚科

ページ範囲:P.638 - P.642

文献概要

 小児のアトピー性皮膚炎に対する寛解維持療法としてのヘパリン類似物質製剤の有用性を検討するため,アトピー性皮膚炎に起因する炎症が鎮静し重症度が軽微な患児18例を対象に,ヘパリン類似物質製剤あるいはブフェキサマク製剤を1日2回4週間塗布し,皮膚所見(乾燥,落屑)の推移および炎症の再燃について左右比較を行った.その結果,18例中15例では4週間にわたり寛解が維持され,3例のみ4週後に両試験薬剤ともに塗布部位に再燃が認められた.また,皮膚所見の推移において両試験薬剤塗布部位ともに改善が認められ,その効果に差はみられなかった.今回,ヘパリン類似物質製剤が寛解維持に対してブフェキサマク製剤と同等の効果が得られたことから,小児のアトピー性皮膚炎の寛解維持療法として,ヘパリン類似物質製剤をはじめとする保湿剤の使用が有用であると考えた.

参考文献

1) 古江増隆, 他:日皮会誌114: 135, 2004
2) 瀧川雅浩, 他:臨皮59: 323, 2005
3) 石垣 光, 他:皮膚臨床46: 1695, 2004
4) 竹中祐子, 他:臨皮57: 17, 2003
5) 塩原哲夫:Visual Dermatology 1: 198, 2002
6) 川島 眞, 他:第57回日本皮膚科学会西部支部学術大会抄録集, 一般演題-31, p103, 2005
7) 土肥孝彰, 他:第57回日本皮膚科学会西部支部学術大会抄録集, 一般演題-29, p102, 2005
8) 細川佐知子, 他:第57回日本皮膚科学会西部支部学術大会抄録集, 一般演題-30, p102, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら