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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻8号

2006年07月発行

文献概要

症例報告

右母指への皮膚転移で発見された腎細胞癌の1例

著者: 石田祐哉1 是枝哲1 宮地良樹1 東新2 中村英二郎2 小川修2

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科 2京都大学大学院医学研究科泌尿器科学

ページ範囲:P.710 - P.712

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要約 66歳,男性.1年前より右母指に疼痛・腫脹などの炎症症状を繰り返していた.爪下に腫瘍を認め,グロームス腫瘍を疑われ当科を受診した.初診時,右母指爪下に易出血性の小豆大の赤褐色腫瘍を認めた.組織学的には淡明な細胞質をもつ上皮細胞が索状,胞巣状に増殖しており,転移性皮膚腫瘍が疑われた.腹部CTにより腎細胞癌と診断され,指尖部腫瘍は皮膚転移と診断し,腹腔鏡下左腎摘出術および指切断術を行った.腎細胞癌の場合には,皮膚転移もしくは他臓器転移が存在している進行例であっても,まず非治癒切除術を行った後に免疫療法を行っていることが少なくない.進行例でも原発臓器によっては手術が考慮されることは知っておくべきことである.

参考文献

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7) Flanigan RC, et al: N Engl J Med345: 1655, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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