icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻8号

2006年07月発行

文献概要

症例報告

多彩な皮疹を呈し,PUVA-bath療法が有効であったCD8陽性菌状息肉症の1例

著者: 横内麻里子1 木村佳史1 谷川瑛子1 高橋愼一2 石河晃1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 2東京歯科大学市川総合病院皮膚科

ページ範囲:P.720 - P.724

文献購入ページに移動
要約 25歳,男性.12歳時より軀幹・四肢に鱗屑を伴う紅斑が出現し,徐々に増悪した.左上肢には血疱,潰瘍,痂皮を伴う紅斑局面を,体幹には鱗屑を伴い浸潤を触れる紅褐色局面を散在性に認め,下肢には色素沈着局面がみられた.画像上,内臓臓器には異常所見はなかった.病理組織像では真皮浅層から中層にかけて異型リンパ球の稠密な増殖があり,表皮内へ軽度浸潤していた.浸潤細胞は免疫組織学的に,CD8陽性,CD4陰性であり,TCRβ鎖,γ鎖遺伝子再構成を認めた.PUVA-bath療法およびステロイド外用療法が有効であり,潰瘍は色素沈着を残し軽快した.

参考文献

1) 大河内享子, 他:皮膚悪性リンパ腫アトラス, 文光堂, p54, 1996
2) 矢口 直, 他:皮膚臨床42: 553, 2000
3) 塗木裕子, 他:皮膚臨床46: 21, 2004
4) 田代正昭, 他:皮膚病診療14: 213, 1992
5) Agnarsson BA, et al: J Am Acad Dermatol22: 569, 1990
6) Santucci M, et al: Cancer97: 610, 2003
7) Willemze R, et al: Blood105: 3768, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?