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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻9号

2006年08月発行

症例報告

抗血栓薬の内服中に生じたアナフィラクトイド紫斑の2例

著者: 尾上智彦1 大原夕佳1 長井泰樹1 堀和彦1 幸田公人1 上出良一1 中川秀己1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科

ページ範囲:P.781 - P.784

文献概要

 抗血栓薬の内服中に生じたアナフィラクトイド紫斑の2例を報告する.症例1:56歳,男性.アスピリン,塩酸チクロピジンを内服中.下肢を中心に上肢,腰臀部に融合傾向のある紫斑が多発した.症例2:60歳,男性.アスピリンを内服中.下腿に融合傾向の強い紫斑を生じた.両症例とも病理組織学的にleukocytoclastic vasculitisを呈し,蛍光抗体直接法では真皮乳頭層の血管内皮細胞にIgA,C3陽性であり,アナフィラクトイド紫斑と診断した.当科で過去3年間に経験したアナフィラクトイド紫斑28例の検討では,抗血栓薬を内服中の症例では紫斑が下肢以外の部位に及ぶ,あるいは点状紫斑以外に融合傾向の強い紫斑,水疱,びらん,潰瘍などを呈する傾向が示された.

参考文献

1) 安野哲彦, 他:日腎会誌46: 511, 2004
2) Watanabe T, et al: Acta Paediatr Jpn38: 622, 1996
3) 池田和茂, 他:日小児会誌92: 1015, 1988
4) Sola Alberich R, et al: Ann Intern Med126: 665, 1997
5) Padeh S, et al: Isr Med Assoc J2: 482, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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