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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻9号

2006年08月発行

文献概要

症例報告

ペグインターフェロンα-2bおよびリバビリン併用療法中に播種状紅斑丘疹型薬疹を生じた1例

著者: 高井郁美1 勝浦純子1 定平知江子1 米田耕造1 窪田泰夫1

所属機関: 1香川大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.789 - P.792

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 67歳,女性.10年前に抗HCV抗体陽性を指摘され,慢性C型肝炎の保存的治療を受けていた.2005年3月よりペグインターフェロンα-2b(PEG IFNα-2b)の100μg/週,皮下注射とリバビリン(800mg/日)内服による併用療法を開始した.PEG IFNα-2b皮下注射の初回より注射部位である両上腕部に局所熱感を伴う紅斑が生じていたが治療を継続していた.併用療法開始より約2か月後,PEG IFNα-2b皮下注射8回目の翌日から体幹,四肢に小豆大までのそう痒を伴う紅斑,丘疹が出現し,徐々に拡大,癒合した.併用療法を中止しプレドニゾロン30mgより内服開始した.ステロイド外用,抗アレルギー薬の併用で軽快した.PEG IFNα-2b,リバビリン,ポリエチレングリコール(polyethylene-glycol:PEG)の貼布試験,プリックスクラッチ試験,DLSTはすべて陰性であった.PEG IFN α-2bの1回常用量の皮下注射を行った翌日,頸部・前腕に紅斑・丘疹が出現した.光線過敏性試験ではUVBでMED値の低下(<40mJ/cm2)を認めた.

参考文献

1) Megan M, et al: Arch Dermatol140: 215, 2004
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4) Cindy J, et al: J Am Acad Dermatol50: 649, 2004
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6) 渡辺さき子, 他:皮膚臨床27: 979, 1985
7) 松浦恭子, 他:皮膚臨床40: 1277, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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