臨床皮膚科60巻9号

2006年08月発行

症例報告

多関節に侵襲をきたした急性痛風性関節炎の1例

著者： 山本志織¹ 白井輝¹ 宮島進¹ 岡田奈津子¹

所属機関： ¹大阪厚生年金病院皮膚科

ページ範囲：P.796 - P.798

文献概要

　67歳，男性．初診の4日前から発熱とともに右下腿外果，左足背，右手関節，右肘と多関節に腫脹，疼痛が出現した．病理組織学的に真皮に無構造物の沈着と，その周囲に組織球の浸潤を認めた．腫脹部位を穿刺したところ，白色チョーク状物質を混じた血性内容物を吸引した．結晶成分分析にて尿酸塩を確認したことより急性痛風性関節炎と診断した．非ステロイド性抗炎症薬および尿酸生成抑制薬の投与により軽快した．

参考文献

1) 三砂範幸：最新皮膚科学大系, 第10巻, 中山書店, p97, 2003

2) 川杉　要, 他：カレントテラピー19: 35, 2001

3) 浦和和子, 山中　寿：高尿酸血症と痛風11: 152, 2003

4) 吉野　恵, 他：皮膚臨床43: 733, 2001

5) 藤森　新, 他：高尿酸血症と痛風5: 33, 1997

6) 大倉俊雄, 他：皮膚病診療20: 803, 1998

7) 関　姿惠, 他：臨皮55: 404, 2001

8) Lawry GV, et al: Medicine67: 335, 1988