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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻9号

2006年08月発行

文献概要

症例報告

腋窩副乳に発生した線維腺腫の1例

著者: 山本純照1 多田百合惠1 飯岡弘至2 宮川幸子2

所属機関: 1市立松原病院皮膚科 2奈良県立医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.818 - P.820

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 20歳,女性.約5年前に左腋窩に皮下結節が生じ,以後徐々に増大した.現症は左腋窩に直径約4cmの弾性硬,下床との可動性が良好な皮下腫瘤で,病理組織学的所見では,皮下に線維性皮膜に包まれた境界明瞭な結節性病変を認め,増殖した線維性結合組織のなかに,細長い間隙状の腺管腔と,類円形の多数の腺管腔がある.上皮性の腺成分は管腔側の乳管上皮細胞と壁側の筋上皮細胞により2層構造を呈し,腺腔には断頭分泌像も認める.また,腫瘍の周囲に正常乳腺構造が存在し,左腋窩の副乳に生じた線維腺腫(管内型と管周囲型の混合型)と診断した.腫瘍摘出後6か月間,再発を認めていない.

参考文献

1) 佐藤優子, 他:臨皮52: 946, 1998
2) 日本乳癌学会編:乳癌取扱い規約, 金原出版, p34, 2000
3) 越永従道, 他:日臨外医会誌46: 1085, 1989
4) 脇坂ちひろ, 飯豊深雪:臨皮58: 975, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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