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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻9号

2006年08月発行

症例報告

右下肢に多発したspindle cell hemangiomaの1例

著者: 米本広明1 石地尚興1 中川秀己1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.821 - P.823

文献概要

 60歳,男性.15年前より右足底に硬結が出現した.右足底に径40×25mmの表面粗ぞう,皮膚色境界不鮮明の結節があり,結節およびその周囲では角質が肥厚していた.その他,右膝蓋部,右下腿後面(2個),右足部(屈側,外側,足背部計3個)に径15~30mmの皮膚色~茶褐色弾性軟の表面平滑で半球状に隆起した皮下腫瘤を計6個認めた.足部MRI像でT2強調画像で強調される腫瘤を足底に認め,血管造影では足底の腫瘤は後脛骨動脈の足底動脈よりの腫瘍血管の増生であった.さらに足関節屈側および外側に前脛骨動脈より血流を受ける腫瘤がみられた.病理組織学的には,不規則に拡張した血管腔が多数みられ,小型の血管内皮細胞および波を打ったように配列する紡錘形の細胞,いわゆるspindle cellが密に増殖している部位も存在し,spindle cell hemangiomaと診断した.

参考文献

1) Weiss SW, et al: Am J Surg Pathol10: 521, 1986
2) Imayama S, et al: Am J Clin Pathol97: 279, 1992
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7) 大畑千佳, 他:市立豊中病院医学誌2: 45, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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