icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻9号

2006年08月発行

文献概要

症例報告

骨転移により大腿骨骨折を繰り返した乳房外Paget病の1例

著者: 湊原一哉1 横山明子1 鈴木康司2 磯邊靖3

所属機関: 1取手協同病院皮膚科 2取手協同病院整形外科 3土浦協同病院整形外科

ページ範囲:P.828 - P.831

文献購入ページに移動
 56歳,男性.1990年頃発症した右陰囊Paget病.2000年1月,拡大切除を行った.2003年2月,右鼠径~右外腸骨領域リンパ節の郭清術を施行した.術後シスプラチンおよびフルオロウラシルを用いた化学療法計3クールを放射線療法と併用して施行した.同年10月,右脛骨および大腿骨転移を生じ,12月に病巣そう爬術および人工骨移植を施行した.2004年1月より5月まで骨転移に対し,ドセタキセルの投与を行うが無効であった.3月と5月に右大腿骨を骨折した.7月2日,社会復帰を目的に右股関節離断術が施行された.9月に一時退院するも,10月に肺転移による癌性リンパ管症のため永眠された.進行期乳房外Paget病にはいまだ確立された治療がない.とりわけ,骨転移をきたすと治療に難渋することがある.皮膚科領域のみならず整形外科的領域を含めてより有効な集学的治療の確立が望まれる.

参考文献

1) 高橋 聡, 山本明史:癌と化学療法31: 356, 2004
2) 岸本三郎:京府医大誌110: 675, 2001
3) 上田英一郎, 他:西日皮膚58: 116, 1996
4) 猿川麻衣子, 他:皮膚臨床42: 853, 2002
5) Oguchi S, et al: J Dermatol29: 33, 2002
6) 森岡秀夫, 他:整形外科48: 52, 1997
7) 内田淳正:整形外科52: 83, 2001
8) 木下厳太郎, 他:整形外科48: 293, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?