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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻9号

2006年08月発行

文献概要

症例報告

多発性の皮内結節を契機に診断されたIgAλ型多発性骨髄腫の1例

著者: 足立孝司1 宮本亨1 福田俊一2

所属機関: 1津山中央病院皮膚科 2国立病院岡山医療センター血液内科

ページ範囲:P.841 - P.843

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 69歳,女性.初診の1か月前より軀幹を初発とする紅色結節に気づき,全身に多発してきたため当科を受診した.初診時,ほぼ全身に自覚症状を欠く粟粒大~母指頭大の紅色~暗紫色調の皮内結節を散在性,多発性に認めた.同じ頃から右眼の視力低下に気づいていた.病理組織学的に真皮のほぼ全層にわたってびまん性に,異形成のある形質細胞様細胞の増殖がみられた.免疫組織染色で腫瘍細胞はIgA陽性λ陽性であった.検査所見で腎不全,高Ca血症,貧血,過粘稠症候群のほか,血清免疫電気泳動ではIgAλ型M蛋白陽性であった.これらの所見よりIgAλ型多発性骨髄腫の皮膚浸潤と診断した.血液内科に転科し,MCNU-VMP療法を行ったが,初診から3か月で死亡した.

参考文献

1) 三輪哲義:外来診療のすべて, メジカルビュー社, p842, 2003
2) Tuting T, et al: J Am Acad Dermatol34: 386, 1996
3) Miyamoto T, et al: Br J Dermatol137: 418, 1997
4) Bluefarb SM: Arch Dermatol72: 560, 1955
5) Hayes DW, et al: Arch Pathol53: 262, 1952
6) 伊豆邦夫, 他:西日皮膚62: 614, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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