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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻9号

2006年08月発行

症例報告

直腸炎を伴った第2期顕症梅毒の1例

著者: 三浦貴子1 中村晃一郎1 金子史男1

所属機関: 1福島県立医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.844 - P.846

文献概要

 45歳,男性.肛門周囲に扁平でやや隆起した疣状の紅色丘疹が出現した.その後,下痢・粘血便が出現したため当科を受診した.両口角に白色のびらん,両手掌に角化を伴う乾癬様丘疹を認めた.肛門周囲の丘疹から生検を施行した.表皮は索状に肥厚し,真皮上層には形質細胞を主体とする細胞浸潤を認めた.抗Treponema pallidum抗体による免疫染色で表皮細胞間に多数のTreponema pallidumが確認された.梅毒血清反応はガラス板法64倍,TPLA15,211mU/mlと高値で第2期梅毒と診断した.直腸内視鏡では直腸肛門部付近にびらんを認め,直腸梅毒を合併した症例と考えられた.サワシリン (R)1,500mg/日を8週間内服したところ,皮疹・直腸症状は速やかに消退し,ガラス法8倍,TPLA1,084mU/mlへと減少した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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