臨床皮膚科61巻1号

2007年01月発行

症例報告

結節性病変を形成したコレステロール結晶塞栓症の1例

著者： 田中掌子¹ 濱崎洋一郎¹ 籏持淳¹ 山﨑雙次¹

所属機関： ¹獨協医科大学皮膚科学教室

ページ範囲：P.20 - P.22

文献概要

要約　78歳，男性．既往歴に高血圧，心房細動，糖尿病，肺癌がある．初診の1か月前より右第1趾に空豆大の疼痛を伴い，表面に潰瘍を呈する結節が出現した．皮膚生検では，膠原線維の肥厚，増生および小血管にコレステロール結晶の裂隙を認め，コレステロール結晶塞栓症と診断した．生検後，局所処置などで治療したが肺癌のため死亡した．コレステロール結晶塞栓症において結節を生じることは比較的稀と考え，若干の考察を加えて報告する．

参考文献

1) 大西泰彦, 他：日皮会誌103: 1333, 1993

2) Falanga V, et al: Arch Dermatol122: 1194, 1986

3) 大西泰彦：東邦医会誌48: 435, 2001

4) 大西泰彦, 他：日皮会誌106: 1760, 1996