文献詳細
症例報告
文献概要
要約 66歳,男性.Adams-Stokes発作,Ⅱ度房室ブロックのため,左前胸部にペースメーカー植え込み術を施行した.その後,ペースメーカーの被覆部の皮膚に潰瘍が生じたため,左大胸筋膜下に植え替えを行ったが,再度潰瘍が生じたため,右前胸部へ入れ替えた.その際,左側の古いリード(導線)は残したままであった.その約1年後,左前胸部の瘢痕部に一致して紅色結節が出現したため,当科を受診した.胸部X線で残存リード先端部と結節の位置が一致しており,結節の病理組織像は異物肉芽組織であった.これらの所見より,ペースメーカーの残存リード部に生じた異物肉芽腫と診断した.残存リードおよび肉芽組織の切除により,現在まで再発はない.
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